多くの方の心をつかむことができたゆべしの秘密は、厳選した上質な餅米による生地とその中に贅沢に使用されたくるみです。もっちりした歯ごたえ、口の中にやわらかく広がる香ばしいくるみと醤油の香り、地元の食材が生み出す独特な食感と風味。ゆべしに馴染みのない人でも、一度食べるとやみつきになるおいしさです。昔ながらの素朴な味わいを大切にひとつひとつ真心をこめて、手づくりしています。絶妙な食感をお楽しみください。
お菓子は生き物です。その日その日の気温や水温、湿度がお菓子の味や食感、風味を微妙に変化させます。毎日同じように造り込んでいるつもりでも、いつも通りの均質なお菓子ができるとは限りません。私たちは日々、お菓子の色つや、風合いを確認しながら、味見を繰り返し、製品を仕上げています。そのため、機械による大量製造はでません。伝統の味を守り続けるために、長年の経験からなる感覚や感性を大切に、手づくりでひとつひとつ丁寧に仕上げています。
お客様の嗜好は時々刻々と変化し、愛されるお菓子の味も時代によって変わります。甘仙堂では、絶えず味の改良・向上を図るとともに、時代のニーズにあったお菓子づくりにもチャレンジするべく、若い感性を多く取り込み、和菓子・洋菓子の要素・手法を活用した、多様性を持った新商品の開発を行っています。そうして誕生した「ずんだロール」や「ずんだカタラーナ」は、特にファミリー層や若い世代のお客様を中心に好評をいただき、その反響は、若い菓子職人のモチベーションにも大いに繋がっております。
甘仙堂には「一菓一心(いっかいっしん)」という言葉があります。すべてのお菓子一つひとつに心を込めお客様に届ける、という意味です。私たちはこの言葉の通り、日々お菓子づくりに励んでいます。おかげさまで、甘仙堂のお菓子は全国のお客様に愛されるものとなりました。特に「ゆべし」は甘仙堂の原点です。これからも、お菓子づくりの真髄と技を若い世代に継承しながら「伝統の味」を守りつつ、時代時代に合った「新しい甘仙堂の味」にも取り組んでまいりたいと思います。